ジェットフォイルよりゆったり、でも速い!! 瀬戸内海をぶっ飛ばす「高速船」引退前に乗ってみた 「こりゃ新幹線グリーン車だ」
双胴水中翼船の「スーパージェット」は、最高速度32ノット(59.3km/h)という高速性能をはじめ、様々な特徴を備えていますが、今後、新型船へと置き換えられる予定です。その最後の活躍を見届けてきました。
「スーパージェット」はどんな船?
船舶の推進時における水の抵抗を減らすため、船腹の下に水中翼を備えた船型を「水中翼船」と呼びます。低速航行時には、通常の船舶と同じように船体は水面下にありますが、高速航行時には仰角の付いた水中翼の働きによって船体が海面上に持ち上げられます。これにより、水中には水中翼のみが残り、水の抵抗を最小限に抑えられる高速船となっています。

1909年にイギリスで試作された「ボート MirandaIII」が最初の水中翼船とされ、35ノット(64.8km/h)の高速を発揮しました。
一時期は日本全国に普及した水中翼船ですが、「波の影響を受けやすく、乗り心地が悪い」「維持コストが高く、専用設備のある港にしか入港できない」などのデメリットもあり、現在ではジェットフォイルなどに置き換えられつつあります。
その水中翼船の一形態が「スーパージェット」です。東京大学、日立造船(現カナデビア)、瀬戸内クラフトの共同開発で、1993(平成5)年に登場した船型です。現在、瀬戸内海では瀬戸内海汽船や石崎汽船、沖縄県では安栄観光で運用されています。
瀬戸内海汽船では、2024年8月1日に新型船「リニアジェット」への置き換えが発表され、2026年4月より置き換わるとのこと。石崎汽船でも2025年秋から同型船への置き換えが予定されています。近い将来には見られなくなるこのスーパージェットに、今回乗船しました。
速度的にはマア互角のジェット•フォイルはJRのイイ加減な運用も有って市場こら退場させられますが、そもそも高速船は鯨等との衝突事故も問題になります。
このスーパージェットは何か秘策が有るのでしょうか?