1日券と通勤定期券を「無料配布」対象区間76km JR北海道の「黄色」線区で“乗車体験”実証へ
JR室蘭線活性化連絡協議会とJR北海道は2025年6月2日、室蘭本線の岩見沢―沼ノ端間において今年度、沿線住民を対象とした無料乗車モニター事業を実施すると発表しました。
通勤定期も配ります!
JR室蘭線活性化連絡協議会とJR北海道は2025年6月2日、室蘭本線の岩見沢―沼ノ端間において今年度、沿線住民を対象とした無料乗車モニター事業を実施すると発表しました。

この実証事業は、JR北海道が2024年3月に国から受けた「事業の適切かつ健全な運営に関する監督命令」に基づき、地域の関係者と策定した実行計画の一環として実施されるものです。岩見沢市、栗山町、由仁町、安平町、苫小牧市からなる協議会と、JR北海道が共同で取り組みを進めます。
「室蘭線沿線住民モニター事業」では、室蘭線沿線の自治体に住民登録のある18歳以上の人を対象に、岩見沢―苫小牧間(75.8km)で使用できる1日フリー乗車券を先着300名に無料で配布します。
もう一つの柱「室蘭線通勤定期モニター事業」では、現在マイカーで通勤している人を対象に、室蘭本線の通勤定期券(1か月または3か月)を無料で提供します。こちらは先着30名となります。
いずれも、協議会の沿線自治体に住む住民が対象。モニター募集期間は6月1日から11月18日まで、乗車券・定期券の利用可能期間は7月1日から12月31日までとなります。参加条件として、利用後のアンケート回答が必須です。
協議会これにより、沿線住民の鉄道利用意向を高めるとともに、アンケート調査を通じて課題を把握し、今後の事業展開に活かす計画です。
室蘭本線の同区間は、「輸送密度200人以上2000人未満」で、「利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区」(いわゆる「黄線区」)とされる8線区のうちのひとつ。前出の「監督命令」では、「徹底した利用促進やコスト削減などの取組を行い、徹底的にデータとファクトに基づく議論を重ねる」などとされ、2026年度末までに、「事業の抜本的な改善方策を確実にとりまとめる」ことが求められています。
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