「橋がない!」平塚を変えた「湘南新道」延伸どこまで進んだ? 高速つながりショッピングモールもできたが“未だブツ切り”
神奈川県平塚市内で「湘南新道」の延伸工事が進んでいます。どのような道路で、事業はどう進んでいるのでしょうか。
川で分断された平塚を変えた! 周りも変化 でもなかなか延伸しない…
神奈川県平塚市内で「湘南新道」の延伸工事が進んでいます。どのような道路で、事業はどう進んでいるのでしょうか。

湘南新道は、平塚市の海沿いをいく国道134号、市街地を東西に貫く国道1号のさらに北側に計画されているバイパス的な路線です。
新湘南バイパス~圏央道の高架下道路として、茅ヶ崎中央IC(新湘南バイパス)、寒川南IC(圏央道)と接続、そのまま真っすぐ相模川を「湘南銀河大橋」で渡り、平塚市内の国道129号「東真土2丁目」交差点までが開通しています。
これによって、約5kmも橋がなかった区間が解消されたのは2007年度のこと。さらに2014年には寒川南ICが開通しています。貴重な4車線の快走路であるとともに、川で分断された平塚から高速道路網に直接アクセスする重要な東西幹線です。
行き止まりの東真土2丁目交差点ですが、その先には住宅街を切り開いたかのように、広い道路用地が続いています。ここから県道606号までの約1.3kmが現在事業中の区間です。
2010年の事業化から15年が経ちますが、2024年の段階で用地取得率は84%、事業進捗率は66%となっています。
沿道では埋蔵文化財包蔵地が広範囲に及んでいるそうです。このため、用地取得できた箇所から、埋蔵文化財調査を実施し、完了したところから順次工事を進めているそう。早期に事業効果を発現させるため、なかでも通学路に指定されている東半分を優先的に整備しているといいます。
2019年の県による事業評価の段階では、2022年度の開通予定でしたが、現在は8年遅れ、2030年度の予定となっています。
現在の終点となっている国道129号は、厚木方面の東名、新東名、小田原厚木道路が密集するエリアに通じる南北方向の幹線道路です。いまや湘南新道の南と北に大型ショッピングモール(ららぽーと、ジ・アウトレット)や工業団地ができ、さらに延伸先の県道606号沿線でも工場立地が進んでおり、大型車の姿も目立ちました。国道129号に並行する県道606号まで延伸すれば、交通がいくぶん分散される可能性があります。
ただし、湘南新道は本来、大磯町の国道1号方面までつなげる計画があるものの、今回の区間以西は未着手となっています。このあいだに複数の南北県道が通っているため、さらなる交通分散は事業区間の延伸がカギになりそうです。
地元民ですが、国道129号線との交点である「東真土2丁目」交差点は、将来的に立体交差になる予定です。湘南新道側が、国道129号線の下を潜る形になります。そのため、「東真土2丁目」の交差点は現状、無意味に歩道が広い状態なんですね。