【空から撮った鉄道】24年ぶり「異形の新型路面電車」空から見てもやっぱ異形!? 桜のトンネルをゆく電車 街には“バス大集結” 春の京都の空散歩
嵐電の愛称が定着している京福電気鉄道は、京都の洛西エリアに嵐山本線と北野線の路線があります。嵐山本線は併用軌道もあり、京都市電なき今は京都唯一の路面電車となっています。新車が走り始めた直後、桜の季節の上空散歩をお見せします。
この記事の目次
・京都唯一の路面電車「嵐電」
・街並みに溶け込む嵐電嵐山駅と、差し色(?)の観光バス
・春満開! 「桜のトンネル」に呑まれる電車
・空からも目立つ新型「KYOTRAM」を運良くキャッチ
【画像枚数】全20点
京都唯一の路面電車「嵐電」
京都は、1895(明治28)年に公共鉄道として日本初となる、京都電気鉄道の電車が走り始めた地です。同鉄道は京都市電へと受け継がれ、路面電車は古都の足として活躍していましたが、自動車社会の到来で1978(昭和53)年に全廃となりました。
とはいえ、京都から路面電車が消えたわけではありません。洛西には京福電気鉄道嵐山本線と北野線があり、嵐山本線は部分的に併用軌道区間が存在しています。洛東にも京津三条~御陵間に京阪京津線の併用軌道区間がありましたが、こちらは1997(平成9)年に廃止となったため、現在、京都の路面電車と言うと京福電気鉄道が唯一の存在です。

会社のルーツは1907(明治40)年開業の嵐山電車軌道で、京都(四条大宮)~嵐山間を結び、その後は京都電灯と合併しました。京都電灯は京都と福井で電力供給事業を行い、福井県の要請で福井県内の電鉄経営に関わりました。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。